ディズニーとAppleの参戦で激化する「アメリカ動画配信ウォーズ」
NetflixやAmazon Primeビデオの参入で、日本でもその利用者が年々増えている定額動画配信サービス、SVOD(サブスクリプション型ビデオ・オン・デマンド)。
比較的安価な月額料で、コマーシャルに邪魔されることなく“好きなときに、好きな場所で、思う存分”ドラマや映画を楽しむことができるとあって、アメリカではもはや利用していない方が珍しい存在。
今後はさらに、Appleやディズニーなども同サービスに参入、激アツの顧客争奪戦が繰り広げられることが予測されています。
来るべきして来たアメリカの動画配信サービスブーム
そもそもアメリカは無料で地上波のテレビが見放題の日本と違い、「テレビ鑑賞にはお金がかかるもの」という認識があります。
キー局と言われるNBCやABC、また、公共放送を観るにも、基本的にはケーブルテレビのサービス会社と契約しないとならないからです(室内アンテナを購入しての鑑賞も可能ですが、部屋の方角や天候によっては観たいチャンネルが映らないのです)。
しかもこのケーブルサービス、月額40ドルくらいの低額パックではしょぼいチャンネルしか観ることができず、かといって好みのチャンネルが含まれているパックは100ドル前後かってしまうとあって、以前から代替えサービスの待望論があったのでした。
そこへやってきたのが、Netflixをはじめとする近年のSVODブーム。
2018年に入って各社値上げしたものの、Netflixは月額8.99ドルから、Amazon Primeは動画配信サービスだけでなく、音楽配信、商品の無料配達サービス、傘下のホールフーズ・マーケットでの割引特典などを含め月額12.99ドル(年間まとめ払いなら119ドル)と、ケーブルサービスと比べてかなり安め。
ケーブル契約を解約してSVODに乗り換える“コードカッター”と、安めのチャンネルパックと他サービスを組み合わせる“コードシェイバーズ”と呼ばれる人々が、全米で急激に増えたのも納得です。
ディズニー作品がNetflixから年内撤退予定?
このSVOD業界に本格参入しようとしているのが、誰もが知る大手企業、Appleとディズニー。
これまで他社の作品を配信していたAppleはオリジナル動画製作に乗り出し、他社に自社作品を配信提供していたディズニーは独自の動画配信プラットホームを持つ予定だと言います。
同様のサービスはすでに、YouTubeやFacebookも着手。米国ではどのメディアも、オリジナル作品の製作から配信までを一貫して手がけていくのが映像業界のトレンドになりつつあるようです。
ディズニーは2019年からのファミリー向け動画配信サービス開始にあたり、同社が権利を持つピクサー・アニメーションやマーベル作品を含む全作品を、現在優先的に提供しているNetflixから今年限りで撤退予定。今後は、自社で独占配信を行う予定にしています。