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元巨人・“満塁男”駒田徳広「“脇役”の僕がプロで生き残れたワケ」

暮らし

時代遅れを満喫してほしい

駒田さん

西小山が気に入っているという

――華麗な現役時代、そして素晴らしいセカンドキャリアを送ってきた駒田さんですが、お店を開いて、これからの抱負を教えてください。

駒田:バーを開いたのは、巨人の頃からお世話になっていた人から誘いがあったから。西小山はちょっと下町ぽい雰囲気があっていいね。独身時代に荒川(博・元巨人軍コーチ、王貞治に一本足打法を教えた)さんの特訓を受けていたころ、僕は東高円寺に住んでいたんだけどちょっと似ているなって思った。

 町全体がアットホームで、飲み屋にいる客もみんな楽しそうで、いい街で店を開けたなって思います。これから、店には週2、3回は立ちたいと思っています。音楽と野球を楽しむ店にしたい。

 昔から好きな音楽は変わらないけど、今の世代から見たら古いんでしょう。非常に時代遅れ。だって考えてもみてよ。戦争ってすごい昔みたいに思えるけど、僕は昭和37年生まれだから、17年前まで戦争してたんです。今から17年前って2003年でしょう。ひと昔前の音楽なんて戦前を見ているのと同じくらい。それくらいあっという間に時代なんて流れていくんです。

 時代の先端の奴らについていこうとすると大変。だったら時代を遅れの音楽と思い出話を楽しんでほしいなって思うんです。僕は基本的にエンタテイナーだから、リングの上だったら期待に答えてしまう。今度はこの店が新しいリングになるんでしょう。広島のある選手は女問題で揉めていたけど、僕たちの世代は女問題はみんな経験しているし、ファンだったら「どうやって応援してあげると本人が嬉しいか」とかを教えてあげたいですね。

<取材・文・撮影/キンマサタカ>

編集者・ライター。尿酸値13の痛風持ち。痛風の発作が出ても、足を引きずりながら立ち飲み屋の取材をした経験あり。著書に『文春にバレない密会の方法』『だってぼくには嵐がいるから』。『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」を連載中。パンダとカレーが大好き
Twitter:@nada_y_nada

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