プレゼンで人を動かす条件。“熱意”よりも具体的に語るべき内容は…
「相手の不安」に言及すれば、聞き流されない
プレゼンとは「こうすればこうなる」といういわば空論を説明する場です。よって、聞いている側も「なんとなく」想像しながら聞いているものです。
ほとんどのプレゼンにおいて受け手側は、「ふ~ん」という程度で聞き流してしまいます。「質問もなく終わる」プレゼンというのは大体がこのような状態のまま終わったものです。「よくある都合のよい未来の話」を聞き飽きている私たちは、話半分で聞き流す癖がついているとも言えるでしょう。
しかし、「相手がいつも感じている不安」などに具体的に言及することができると、途端に相手の姿勢はかわります。プレゼンされた案を具体的に進めているときの状況が、相手の頭の中で明確になってくるのです。
質問が矢継ぎ早に出るプレゼンは大成功
そうすると、「具体的な疑問点」が浮かび上がってきます。ここで出てくる疑問点はプレゼンをしている側にとって宝の山です。相手をうまく刺激することによって初めて出てくる情報だからです。
相手は、「これを解決してくれれば合意したい。あなたなら解決できるのではないか」と考えるところにまで至っているのです。
「合意」のためには、「相手の頭の中」の中に隠れている「疑問」や「不安」を引き出していかなくてはいけません。引き出すことで初めて、対応できるのです。
<TEXT/苅野進>