プレゼンで人を動かす条件。“熱意”よりも具体的に語るべき内容は…
対面する意味は“伝達”よりも“情報収集”
「自分が伝えたいことを詰め込むのではなく、相手が聞きたい情報を用意する」というのは、プレゼンの存在意義を考えれば当然のことです。対面することの大きな意味は、相手の話を受け取ることができるということに尽きるからです。
よく、「相手から何の質問も出なかった」と胸をなで下ろして帰ってくる営業マンがいますが、それは非常に危険です。相手の疑問点について説明し、解消する機会を逃しているからです。
就職活動でもわざわざ面接の機会を設けるのは、志願者の演説を聴きたいからではなく、「質問したい」「対話したい」からです。
ですから、「完璧なプレゼンをしよう」という準備はもちろんですが、「相手の反応をできる限り受け取って対応していこう」という姿勢が大事です。
そして、特に「疑問点」や「否定的に捉えた点」について声に出してもらうことが重要なのです。この点を理解して臨んでいかないと、相手の反応にパニックになるのです。
「合意」は一方通行ではつくれない
あなたが、試験において教科書に書いてある正解を述べているのであれば、それは絶対的にあなたが正しいです。
しかし、合意こそ正解だという世界では「相手はどう考えているのか」が正解の50%を占めているわけです。
どんなにあなたが正しいと思っていても、そこに「合意」がなければ「正解」として受け入れてはもらえません。相手は人間です。合意できない理由はさまざまなものがあり得ます。
「論理的には賛成だが、心理的には賛成できない」「個人的には賛成だけれど、会社としては難しい」など、あなたにとって理不尽だと思えたとしても、仕方のないことです。
「正解」かどうか、説明が論理的であるかどうかは相手が決めることなのです。