ゴルフのアプローチの基本は”グリップと体の間隔”を保つことだった/三觜喜一
教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数40万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売された。そんな彼が『週刊SPA!』で1年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開!
Lesson55 多くのアマチュアができていない、アプローチの安定性を上げるコツとは!?
【前回を参照】⇒Lesson54
ボールのライやピン位置など、状況によってアドレスや打ち方が変わるアプローチですが、まずはベーシックな打ち方をマスターするのが先決。今回は良好なライで、両足の真ん中にボールを置いた状態を例に、オーソドックスな打ち方のポイントを解説していきます。
振り幅が小さいアプローチでは、動きの中でスイングをアジャストする時間がありません。そのため正しい軌道から外れないよう、より正確なクラブの重心コントロールが求められます。
そこで最も大事なのは、グリップエンドと体の間隔を一定に保ってテークバックすること。グリップエンドをおへそに向けた状態でアドレスし、その位置関係を保ったまま始動するということです。こうすると、テークバックの初動ではヘッドは体の前面を移動することになります。
重心をコントロールできないと…
一方、多くのゴルファーは手を使ってインサイドにヘッドを巻き込むよう始動するため、体よりも後方にヘッドがある格好になります。これだと重心をコントロールできず、ダウンスイングでヘッドが落ちてくるため、ダフりやザックリの原因に。ダフりを意識しすぎると、今後はシャクり上げてトップする……そんな悪循環を招くのです。
たとえ小さな動きでも、手でクラブを上げるとヘッドが落ちようとする力が優位になりますから、これを相殺するよう、左手を下へと押し込む感覚をもって始動するといいでしょう。このようにテークバックできると肩が回り、バックスイングで左肩が下がります。