入社して半年が勝負。ハーバード大学院卒の“暗記の達人”が教える「一歩先を行く仕事術」
学生時代には試験などを通して「暗記」の大切さを実感した人も、社会人になると、勉強の機会が激減して暗記の必要性を感じなくなっているのではないでしょうか。
しかし、ビジネス成果を高めるには、いち早く仕事で必要なことを吸収して、実戦で使えるようにすることがカギになります。そのために武器となるのが「暗記力」です。ちょっとした業務でも、それをすぐに覚えることができるか、できないかで後々に大きな差がついてくるものです。
今回は東京大学、ハーバード大学院で理系から文系、工学から教育学まで幅広く学んだ私がに「ビジネスで実践的に使える暗記術」について紹介します。
※本記事は『最強の暗記術 〜あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)から再編集し、抜粋しました。
アウトプットを繰り返して記憶は定着する
「記憶」は覚えようとして暗記の作業をするインプットだけを行うよりも、覚えたものをテストなどで書いたり、話したりするアウトプットを繰り返したほうが長期記憶に定着しやすい傾向にあると言われています。
ビジネスでも同様のことがいえます。業務内容や進め方、業界知識、取引先とその取引にかかる数字などを、机上で理論的に教えられ、暗記しようとしても、なかなか頭に残らないのではないでしょうか。
多くの会社で、オンザジョブトレーニング(OJT)と称して、新しい業務をさせながら、上司や先輩が指導をすることで、仕事に慣れさせるというやり方をとっているのはそのためです。
つまり、業務上のアウトプットを繰り返し行うことで、そのために必要な知識や情報をインプットし、理解したうえで長期記憶に定着させるという暗記術を実践しているわけです。
意識的にインプットの場を設ける
ただし、OJTで基礎の基礎だけは学べますが、応用することは難しいでしょう。ですので、OJT以外に、意識的にアウトプットとインプットを行い、ビジネスに応用実践できる独自のキーワードと引き出しをひろげていく必要があります。
1つは、たまたま配属された部署の上司や先輩に左右されることなく、業界の第一線の情報や体系的にまとめられた知識を吸収するために、自らインプットの場を設けます。
外部研修やセミナーを受講したり、資格試験のための学習をしたり、関連する書籍や業界誌、ウェブ上の記事などを積極的に読んだりすることです。特に、初めの3か月から半年間は集中的にこういった独自のインプットを徹底するとよいでしょう。
そうすると、日々の業務によるアウトプットで覚えた実践的知識と、セミナーや書籍などのインプットによる理論的知識がリアルタイムに融合され、長期記憶に定着しやすくなり、かつ実践に応用可能な自分の引き出しの材料になっていくわけです。