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食費は月700円…激安シェアハウスに住む若者たちの絶望。10畳に2段ベッドが3つ

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 新型コロナは多くの失業者を出すなど、“貧困パンデミック”とでも言うべき状況が生まれている。生活困窮層は分厚くなり、さらに下流の“底”がヒビ割れ奈落に落ちる人も……。そんなニッポンの貧困のリアルを取材した。

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野村さんの運営する激安シェアハウス

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都内最安シェアハウスで希望が持てない若者の苦悩

 引き戸の玄関を開けると目に映ったのは、10畳未満の狭小の部屋に押し込まれた鉄パイプの二段ベッド、しかも3つ。大きな窓がなく、室内の空気もどこか湿っている。1か月の家賃が2万5000円の、1畳にも満たないベッド上には、住人の生活必需品、洗濯物などが所狭しと置かれ、寝返りを打つスペースも残されていない

 ここは都内でも安さをウリにした、品川区にあるシェアハウス。住人の中心は20代の若者たちである。オーナーとして実際にここに住んでいる野村康太さん(仮名・24歳)は、激安シェアハウスを始めるに至ったいきさつをこう語る。

「2人兄弟の長男で母子家庭だった僕は、母親の希望で高校には行かずアルバイトをして家計を助けることに。ですが、次第に僕の収入に依存するようになり、軋轢(あつれき)が生まれて大ゲンカに発展。家を追い出されてしまった。未成年で部屋を貸りることもできず、ホームレス生活が続きましたが、バイト先の先輩から、折半でシェアハウスの運営に誘われたんです」

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野村康太さん(仮名・24歳)品川区にある激安シェアハウスを運営する。月の家賃は2万5000円から。自身も住み、住人に仕事を紹介したりもしている

「かつての自分と同じ貧困者を救いたい」

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共同の台所スペース。町工場を改築した建物で、窓を開けてもコンクリートの壁で日当たりも悪い

 主にTwitterを使って、入居者を募っているという。

心のひずみを抱える人、社会になじめない人など、何かしら問題のある入居者がほとんど。内見当日のドタキャン、家賃の未納など、トラブルも多い。それでも、かつての自分と同じ貧困者を救いたいという気持ちがあるので、住人と一緒に生活するようにしています」

 実際に、このシェアハウスに住む若者の素顔に迫った。

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