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LINEの平均年収と、働く社員の本音は?「便利すぎて」意外な弊害も…

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 メッセージアプリの「LINE」が、アプリを通して使える新たなサービスを続々とスタートしています。

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※LINE公式サイトより https://line.me/ja/

 ジャンルも「保険」「投資」「転職支援サービス」などとさまざま。今や日本人の90%以上が利用し、単なるコミュニケーションアプリにとどまらない展開を見せるLINE。

 その運営会社である「LINE株式会社」(以下、LINE)ってどんな会社なの? その実態を社員のリアルな声を交えつつ読み解いていきましょう。

保険、投資、転職支援を身近にするLINEの新サービス

「保険」「投資」「転職支援」と聞くと少し堅苦しいイメージがありますが、LINEがスタートしたサービスではそんなイメージを払拭するような工夫がされています。

 まず先立ってスタートしたのが、10月16日に発表されたLINEの保険サービス「LINEほけん」。LINEの子会社であるLINE Financial株式会社(以下LINE Financial)と、損害保険ジャパン日本興亜株式会社が共同で開発したサービスです。

 LINEほけんでは、約60種類もの保険のテーマが用意されていて、生活シーンに合わせた保険を選ぶことができます。

 例えば、300円で加入できる1Dayゴルフ保険や、250円から加入できる台風時の1Day保険など、生活の一場面に適応した保険プランなどが数多くあります。

 1日単位、もっとも安いもので100円から加入することができるので、従来の保険とは違い、お手軽に加入できるところがポイントです。

 LINEほけんに加入する際は、LINEアプリで利用できる送金・決済サービス「LINE Pay(ラインペイ)」の登録が必要となり、保険料もLINE Payで払い込みます。

 LINEアプリ内で加入できるので、専用のアプリをダウンロードするといった手間がかからないのも魅力のひとつです。

気軽に分散投資「LINEスマート投資」とは

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※LINE公式ブログより http://official-blog.line.me/ja/archives/77284239.html

 LINEほけんがリリースされた2日後の10月18日に、LINE Financialと、オンライン証券会社の株式会社FOLIOが共同で提供する投資サービス「LINEスマート投資」がリリースされました。

 このサービスの特徴は、LINEアプリ内で投資ができるということと、さまざまなテーマごとに投資ができるというところです

 従来の投資であれば、まず企業をひとつ選びますが、こちらはテーマごとに分散投資をする仕組みとなっています。例えば「ドローン」「温泉」「人工知能」「京都」「VR」などのテーマがあり、それぞれ10社で構成されています。

 これによって、ユーザーは自分が興味を持つ分野を選ぶだけで、ある程度リスクを分散した形で投資を行うことができるのです。投資に興味があってもなかなか手が出せずにいる人にも使いやすいサービスと言えます。

アプリ内で面接日時の調整まで!「LINEキャリア」とは

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※LINE公式サイトPRページより https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2431

 LINEスマート投資が発表された後、10月22日に発表されたのが「LINEキャリア」です。

 LINEキャリアでは、全国の転職や求人情報をLINE上から閲覧・応募することができます。アプリ内で応募から面接調整まで一連のやりとりを行うことができるので、連絡を見落すリスクが低いのもメリットです。

 このサービスを運営しているのは、LINEと人材サービス大手のエン・ジャパン株式会社(以下エン・ジャパン)による合弁会社の「LENSA株式会社」。

 エン・ジャパンとの連携によって、エン・ジャパンが運営する「エン転職」の掲載求人情報が全てLINEキャリア内に掲載されています。

 また、今後はエン・ジャパンが運営するその他求人サービスとの連携や、履歴書作成機能、企業からのダイレクトオファー機能なども搭載予定とのことです。

「LINE」の平均年収・年齢は?

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LINE株式会社 新宿オフィスのある新宿ミライナタワー photo by 江戸村のとくぞう CC BY 4.0

 ところで、LINEはそもそもどんな会社なのでしょうか? 企業の公開情報を元に見ていきましょう。

 LINE株式会社(旧商号:NHN Japan株式会社)は、韓国のIT企業NHN株式会社(現ネイバー株式会社)の子会社として2000年に設立されました。

 現在、LINEの単独従業員数は1460人、連結従業員数は5100人。平均年齢は34.3歳と比較的若く、平均年収は715万円となっています(Yahoo!ファイナンスによる)。

 国税庁が発表している平成29年度版の民間給与実態統計調査によると、サラリーマンの平均年収は約432万円であることから、社員の平均年齢が若いことも鑑みると年収はかなり高いといえるのではないでしょうか。

 2011年にリリースされたLINEは、メッセージの既読機能や、無料通話機能がついた革新的な機能で一躍話題となり、現在では世界52か国のApp Storeで無料アプリ1位を記録しています。

LINE社員のホンネは?

 ではLINEとは一体どんな雰囲気の会社で、どんな人が働いているのでしょうか?

 年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報から、社員のリアルな声をピックアップしました。

社内外とのやり取りは個人のLINEアプリで行うため、通勤中や帰宅後にもメッセージが深夜まで飛び交っている。裁量労働制の人はコアタイムもないため勤怠は自由度が高い。

 しかし社外にいてもLINEで多くの人から連絡が引っ切りなしに来るため、全く休めない。土日の出社も人や部署の繁忙さによっては慢性化している部分もある」(商品企画・30代前半女性・正社員・2016年度)

 たしかに、プライベートと仕事のメッセージがLINEに送られてきてしまっては公私の区切りがつかなくなってしまいそうです。

 どこにいても気軽にメッセージが送れてしまうLINEだからこそ、こういったストレスが発生してしまうのでしょう。自社のサービスの機能性が高いことは良いことですが、社員にとっては思わぬマイナス面もあるようです。

 しかし一方で、個人裁量の大きさをポジティブに感じている社員の意見も見受けられました。

「勢いがある会社であり、個人の裁量も高いため、比較的自由に仕事ができる。営業系、開発系、ゲーム系など、部署によってカラーが異なるため、自分に合うかどうかは部署によって分かれるところ

 会社全体のカラー的なものは薄く、アジア系の外国人比率が高い部署は上下が厳しく、それ以外は緩やかな雰囲気だと思われる」(ディレクター・30代後半男性・正社員・2015年度)

 部署ごとにさまざまなカラーを持つ会社だからこそ、自由な発想で新たなサービスを続々と生み出していくことができるのでしょう。

<TEXT/中西トモナオ データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>

武蔵野美術大学を卒業。大学では広告のキャッチコピーについて研究しながら、ラジオ番組を制作する。現在は放送作家・ライター・グラフィックデザイナー・イラストレーターとして活動中。

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