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水道屋がタピオカ、アパレル事業に進出。“令和のヒットメーカー”が明かす、独自の審美眼

ビジネス

魅力を伝え続けた3年。ようやく黒字化に

「後日談ですが、仲良くなった店員の方は、実はオーナーの息子さんだったんです。すごく運命を感じましたね」

 度重なる交渉の末、春水堂の日本進出が決まり、2013年7月に代官山へ1号店をオープン。タピオカブームの先駆者として、行列ができるほどの人気を博した。とはいえ、当時は欧米スタイルのカフェが一般的で、アジアンカフェは日本人に流行らないとされていた。

 特に日本人はお茶にお金を払う文化がなく、春水堂のようなお茶専門の台湾カフェはまだまだ受け入れられにくい状況だった。

全く土壌がない中で運営してきたので利益が出るまでは3年かかりました。仕入れもできないなか、何かサイドメニューを出せないかと、おにぎりを握って売ってみたり、ロールーケーキを出してみたり……。それでも結果はうまくいかず、春水堂の魅力を伝え続けて、ファンを増やし、全国展開できるようにまで成長させることができました」

社員向けユニフォームから事業化へ

オアシス

約2年かけて開発した独自素材「ultimex(アルティメックス)」

 3つ目の事業の柱となるWWSも、意外なことがきっかけで事業化を決断したという。

「もともとは水道工事業の社員向けユニフォームとして『スーツに見える作業着(ワークウェアスーツ)』を開発したんですよ。水道工事って若者にあまり人気のない職種で、若手の採用に苦戦していたために『おしゃれでかっこよく、かつ動きやすい作業着』を作れば若者に興味を持ってもらえるのではと思って、プロジェクトを立ち上げました」

 しかし、さまざまなメーカーの生地を取り寄せても満足のいく生地にはならず、結局、自社で約2年かけて、ストレッチ性があり、丸洗いも可能なオリジナル素材「ultimex(アルティメックス)」を作り出した。

 速乾・撥水性といった高機能でありながら、スーツのようなフォーマル要素を兼ね備える「今までになかった商品」は大ヒット。ビジネスユース以外にも最近では私服としてカジュアルシーンでの着用機会も広がっているという

「見た目もスタイリッシュで、若手が採用できるようになりました。また、言葉遣いや礼儀なども自然とよくなり、取引先にも好印象を持たれることが増えた。ある時、『うちのユニフォームを作ってくれないか』と依頼があり、これだ!と決断しました。漠然と衣・食・住の“衣”の部分で3つ目の事業を興したいと考えていたんです」

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