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サーバーの中身って見たことある?素人が「実践型IT技術研修」を受けてわかったこと

ビジネス

 日増しに需要が高まる「IT技術」。しかし、そのハードルの高さから技術習得に挫折してしまう例も少なくない。事実、私も初心者向けプログラミングを受講し、全く身につかず時間を無駄にしたことがある。

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東京都千代田区丸の内にある株式会社BFTの「BFT道場」

 そんな私のもとに、ITインフラ技術に強みを持ち、多くのインフラエンジニアを要する株式会社BFTが運営する実践型のIT技術研修「BFT道場」への参加依頼が届いた。今回は、プログラミング弱者の素人ライターが、「BFT道場」を受講してみた体験記をお届けする

初めて見た「物理サーバー」

 今回は月額10万円で講座が受け放題になる法人向けの研修コース「チョイトレ」内の「サーバーを開けてみよう」というプログラムを体験した。

 このプログラムは、受講者が実際にサーバーを開き、世の中のデジタルサービスやクラウド技術を支えている「物理サーバー」の仕組みを理解し、ハードディスクやメモリの設置にチャレンジするというもの。

 株式会社BFT取締役の古賀彌奈子(こがみなこ)さんは、この研修を設けた目的をこう語る。

「最近はクラウドサービスの台頭でエンジニアでも物理サーバーを触る機会が減っていますが、システム障害など、問題が発生した際に早期解決を図るには、基本を押さえておくのは大切です。ですので、物理サーバーの仕組みを理解し、実際に触れておくことは原理を学べるので、意外と大切なんです」

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基礎の基礎から分かりやすく指導

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今回は特別にマンツーマンでの授業が行われた

 コンピュータの仕組みは物理サーバーでも家庭用PCでもほぼ同じなので、「コンピュータの中の仕組みを正しく理解し、ハードウェアの増設などを経験しておけば、必要十分な機能を持つ家庭用PCの買い方やカスタマイズ方法が分かるようになります」(古賀さん)とのこと。

 そもそもサーバーっていったい何なのか? 座学では、イラストや図を巧みに用い、CPUやメモリ、HDDなどが果たす役割、Webサービスのシステム構造など難しいサーバーの仕組みを分かりやすく解説。また、簡単な質問タイムも設けられていた。

 こうした受講ハードルの低さは、もともとBFTに入社する社員には文系のIT未経験者が多く、彼ら向けに作成していた研修がBFT道場の出発点だったことに由来するそうだ。

宝探し的に学ぶエンジニア思考

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これは一体何に使うものなのだろう…

 基礎を講義形式で学習したところで、いよいよサーバーを開けていく。とはいえ、最初はサーバーの蓋の開け方や、どの機器がどこにあるかが分からず、かなり苦戦した。

 しかし、指導のおかげで「宝探し」のような面白さも感じられた。

 その後、サーバーに装着されているCPUやHDD、メモリがどのような仕様で、どれくらいの性能を持っているか、また最大でどこまで性能アップが可能かを自ら調べる。あくまで講師は答えを教えず、受講者の回答をひたすら待つのが印象的だった。

 1時間程度をかけて筆者なりに調査を重ねたものの、残念ながら全問正解とはならず。しかし、答え合わせを通じて「正解、不正解そのものよりも、回答の根拠を準備し、きちんと説明することの大切さ」を説かれた。

ハードウェア増設で学んだこと

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実際にサーバーを開けて、ハードウェア増設に挑戦

 これは、疑問に対して妥当な根拠を提示し、それを他人に説明する能力こそがエンジニアには欠かせないという考え方に由来する指導とのこと。

 その後、実際のハードウェア増設に移る。増設に際しては、コンセントを抜き差しするタイミングや、ハードウェアの装着ミスなど、ほんの些細なことが増設失敗や機器の故障につながることを体感できた

 研修は3時間程度と長丁場だったが、手を動かす時間が長かったため一瞬で過ぎ去った。初心者でも挫折することなく、多くのことを学べた有意義な講座だった。

現場で役立つデジタル人材を育成

 古賀さんはBFT道場を立ち上げたきっかけについて、「現場のIT技術を広くの一般人にも伝えたい」という思いからだったという。

「社員向け研修を外部に開放する際、日本の企業のIT推進の底上げを支援したいという思いでスタートしました。これまで、長きにわたり、国内のシステム開発は技術ノウハウはITベンダー頼み、というのが一般的でした。しかし、昨今のDXへのシフトチェンジにおいて、それでは日本は海外に置いて行かれる一方です。日本国内でIT技術が一般の企業、個人にもっと身近なものになり、多くの恩恵をもっと受けられる社会をつくりたかったのです」

 事業発足から3年あまりが経過した今でも受講者の数を順調に伸ばし、一定の売上を確保している。他のエンジニア向けスクールとの差別化ポイントはどこなのか。

「すべてのコンテンツを、現役エンジニアがプロジェクトで実際に培ったノウハウを基に『現場で役立たせる』という意識で制作しています。単に知識を覚えるのではなく、現場で成果を出せるエンジニアになるための研修になっています。また、『ヒントは出すけど、答えは教えない』ことを徹底し、受講者自ら考えて課題に取り組んでもらっています」

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つまずきやすいIT初心者をサポート

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株式会社BFT取締役の古賀彌奈子さん

 BFTは、スクール事業以外でも「BFTのノウハウを多くの人に情報発信する」ことに焦点を当てている。

「IT技術者向けメディア“Think IT”に、コンテナ技術初心者向けの連載『初心者のためのコンテナ入門教室』を寄稿したり、同メディアで連載されていた『新人エンジニアのためのインフラ入門』を書籍化して発売したりといった取り組みを重ねています」

 最後に、BFT道場を含む教育事業に関する今後の展望を聞いた。

「BFT道場は法人向けに展開しているのですが、コロナ禍で個人の学習意欲も高まっており、個人向けの講座も開きたいです。また、すでにオウンドメディアを立ち上げており、お客様の疑問にお答えできるデジタル技術を中心としたコンテンツを通じて、多くのノウハウを発信していきたいと思っています」

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<取材・文/齊藤颯人 撮影/山川修一 提供/株式会社BFT>

上智大学出身の新卒フリーライター・サイト運営者。専攻の歴史系記事を中心に、スポーツ・旅・若手フリーランス論などの分野で執筆中。Twitter:@tojin_0115

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