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学生起業家がP&Gを経て再び起業した理由「ザ・サラリーマンにはなりたくなかった」

ビジネス

 働き方や生き方などが多様化している昨今、大手企業をやめて、高学歴を捨てて……自らの手で新たな道を切り拓いてゆく、若き起業家たちが増えています。

「ホンモノが正当に評価されるプラットフォームを作る」ことをモットーに、2018年7月にSAICOOL株式会社を立ち上げた釼持駿さん(29歳)

起業家

代表取締役社長の釼持駿さん(29歳)

 学生時代にシンガポールで起業し、その後P&Gに入社してマーケティング部門に配属。アジア7か国を舞台に柔軟剤ブランドのマーケティングを行い、10年間以上、国内市場シェア2位だったブランドを初の1位に押し上げます。

 4年間で担当したブランドの売上を100億円以上伸ばすことを達成した後、 念願の起業。決して順風満帆とは言えなかった環境で、釼持さんの戦略の作り方の秘訣を聞いてみました。

“ザ・サラリーマン”にはなりたくない

――学生時代にベンチャーを起こしたきっかけは何でしょうか。

釼持駿(以下、釼持):中学の頃から弁護士になりたいと思っていました。きっかけは弁護士が活躍するドキュメンタリーを観たことです。海外で活躍する企業弁護士に憧れましたね。ただ、大学2年の時に司法試験に通らず、次の受験は大学院生の予定。

 そんなとき就活している先輩たちが多くいたので、社会経験を積んでから、司法試験にチャレンジもいいなと思うようになりました。大学3年生の時に日本の企業で3、4社ほどインターンを経験しました。その中のひとつである商社で働いてみると、海外に日本の良さを伝えるビジネスを手掛けたくなったんです。

 ところが海外で日本の良さを伝えたいと言っても、私に何ができて、何が不足しているのか、わかりませんでした。そこで実際に海外に行って考えようと、大学を2年間休学することに決めたのです。

――日本でインターンをして得られた経験は他にありますか。

釼持:能力があっても、なかなか自由に活動ができず、能力を100%以上活かしきれていない環境を感じました。自分は上の人に言われたことをやっている、いわゆる“ザ・サラリーマン”にはなりたくないと思い、ふと、このまま就職していいのかなと疑問を感じました。父が地元で不動産業を営む個人事業主だったこともあって、将来は起業したいという気持ちも沸いてきたんです。

朝7時から翌朝6時まで仕事したことも

インターン

カナダでインターンシップをしていた頃(写真は本人提供)

――大学2年の時に海外に出て、一体どのような経験をしたのでしょう。

釼持:最初はカナダのコンサルティングファームでのインターンで、自動車のメーカーのコスト削減プロジェクトに関わり、ゴールに到達することができました。朝7時から翌朝6時までの長時間勤務でも、長いと感じることのない、充実した日々でした。

 仕事内容が厳しい半面、知的好奇心も満たされ、また100%ビシネス英語を使う環境だったため、語学力含め海外でビジネスマンとして対等の戦える自信と能力を養うこともできました。自分の考えやロジックが会社の上の人と同じで、「自分は意外に通用するかもしれない」とも感じ、やり切ったという自信を持つことができましたね。

 不眠不休で働く一方で、当初持っていた自分で会社を起業して、自分の力で自由にやってみたいという気持ちがますます強くなってきました。そこで上司に相談したところ、シンガポール在住の投資家を紹介してもらったので、すぐにシンガポールに渡ってプレゼン。幸運にも私のビジネスに初期投資をしてくれることになりました。