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積水ハウス55億円詐欺、地面師グループの首謀者に会った強烈な印象は…/#全宅ツイ

ビジネス

 品川区西五反田にある旅館跡地を巡る取引で、大手住宅メーカー・積水ハウスが55億円を騙し取られた地面師事件。犯行グループのうち9人がすでに逮捕されており、フィリピンに逃亡した主犯格も国際手配される見込みです。

五反田駅

地面師事件の舞台となった五反田駅 ©Ryosuke Sekido CC BY 2.0

 不動産取引に詳しい「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」(全宅ツイ)に平成最後の(?)大型地面師事件についてコメントを求めました。

平成最後の大型詐欺を“全宅ツイ”はどう見る

 被害者である積水ハウスに、「プロにあるまじき落ち度があった」と指摘するのが、全宅ツイのグル@emoyino)さんです。

「積水には真の土地所有者から、『私は旅館の売買契約をしていない』いう内容証明が届いとった。それなのにやぞ、『これは取引を妨害したい者が出した怪文書や』いうて、売買代金の残りを地面師に払いよった。

 普通払うか? 少なくとも内容証明出した真の所有者のとこいって事実確認せんか普通? これはずさんとか言うレベルではなくて、“敢えて地面師にカネをくれてやった”と言われてもおかしくないお粗末さや。積水内部で通常の判断がなされない様な“力”が働いたんかもしれんな」

 手厳しい指摘ではありますが、犯行を防ぐ機会が複数存在したのも事実です。

なぜ不動産取引のプロがだまされたのか?

 では、なぜ不動産取引のプロであるはずの大手企業が、疑うことなく詐欺に引っかかってしまったのでしょうか。全宅ツイのグルさんは2つの理由があるとしています。

「1つ目はな“本人確認”の難しさや。アンタが、『ほんまにアンタであること証明してみい』言われたらどうや? アンタの写真の載った運転免許証見せるか? でもその運転免許証が偽モンや疑われたらどうする? そしたら自分の母親から「この子は間違いなく私の息子で山田太郎いう名前や」とでも言うてもらうか?

 その母親が赤の他人で偽モンや疑われたらどうや? 究極的には間違いなく“アンタがアンタであること”を第三者には証明できんのや。しかしな不動産取引、不動産登記の制度いうんは、『売主が売主であることが証明できる』前提で設計されとる。ここに矛盾ある限り地面師はなくならん」

 ブロックチェーンを導入すれば、不動産取引の安全性が担保されるという意見もありますが、全宅ツイのグルさんはこれに懐疑的です。

「ブロックチェーン? それは『不動産』と『その所有者』の組み合わせの記録が改ざんされずに保持されるだけであって、そもそもその前提たる所有者の真偽が保証されてるもんやない。せやからブロックチェーンによって不動産取引や不動産登記の安全性が担保されるというもんではない」

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