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社長失踪、負債59億円で「全店閉店」のパン店が復活。新オーナーに“計画倒産説”を直撃

ビジネス

 2021年11月8日に突如、全店舗閉店と倒産を発表したベーカリーチェーンの「ベルベ」。創業48年、神奈川県を中心に28店舗を展開し、地元に密着した営業をしていただけに、閉店を惜しむ声は大きいものでした。

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閉店したベルベ(糀谷駅前店)※編集部が2021年12月に撮影

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突然の社長の失踪と約59億円の負債の発覚

 2021年11月の報道によると、株式会社ベルベの創業社長である石川民夫氏が11月2日に失踪。その後「50億円を上回る負債が発覚し、破産申請を検討中」と報じられていました。

 そんな状況を背景に、元ベルベの社員らによる新店「リベルベ」が2022年1月26日にオープン。地元のファンからは大いに歓迎され、その様子がテレビのニュースなどでも取り上げられました。

 翌月2月8日、ベルベの破産申請が横浜地裁により受理され、「負債総額は約59億円の見通し」と報じられました。

 しかし、一部ネット上ではリベルベのオーナーが石川氏の娘婿であることなどから「計画倒産だったのでは?」などの声もあがっています。

 渦中のリベルベのオーナーであり、運営会社の株式会社Az(アズ)の代表取締役社長・小嶋亮さんに話を聞きました。

新店「リベルベ」は予想以上の大反響

リベルベ

リベルベのオーナーであり株式会社Az(アズ)の代表取締役社長・小嶋亮さん

――リベルベを開店してみて、売上や客数はどうですか?

小嶋 亮さん(以下、小嶋):予想以上の反響をいただいています。朝焼いた分がお昼に売り切れてしまうので、当初は一度お店を閉めて製造し、午後に営業再開するほどでした。

 今は増員体制をとり、お店を一度しめることはなくなりましたが、閉店時間前に売り切れてしまうこともあります。ベルベで通常製造していた3~5倍の量を毎日売り切っています。お客様からは“ベルベ・ロス”という言葉も耳にし、それだけオープンを望まれていたんだと実感しました。

――フル稼働でうれしい悲鳴が上がる状態、ということですね。小嶋さんはベルベの店舗で店長を務めていたそうですが、倒産の知らせはどのように伝わってきましたか。

小嶋:まず、話をわかりやすくするために、私とベルベの関係から説明させてもらいますと、私はベルベの石川社長の次女の夫で、義理の息子です。ただ、身内だからといって役員待遇があったわけでなく、イチ店舗の責任者として働いていました。

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